出版社内容情報
森 祖道[モリ ソドウ]
著・文・その他
浪花 宣明[ナニワ ノブアキ]
著・文・その他
内容説明
紀元前二世紀の中頃、インド西北部(今のパキスタン・パンジャーブ州など)を中心に広大な地域を支配していたギリシャ人のミリンダ王(ギリシャ名はメナンドロス)と、当時の仏教教団の優れた指導者ナーガセーナ長老との間に、仏教の教理思想の根本をめぐって鋭い対話討論が交わされた。それはギリシャ思想とインド仏教思想の対決でもあった。その結果、王は仏教に帰依した。問答の内容は、古代インド語の一種であるパーリ語で書かれた『ミリンダ王の問い』という大変ユニークな経典や、その漢文訳『那先比丘経』など、現存の資料によって詳しく知ることができる。本書は、右の二人の伝記や時代背景、経典の成立伝播翻訳の歴史、対論の教理思想の解説に、現地踏査の旅行記を付した書である。このように本書は、東西の思想文化交流の一歴史を平易に語る。
目次
1 伝記篇(伝記検討の資料と方法;西北インドのギリシャ人国家;ミリンダ王の生涯と事績;ギリシャ人の仏教信奉;釈尊没後の仏教教団の展開;ナーガセーナ長老の生涯;王と長老の出会いと対論)
2 経典篇(経典の原型;パーリ語原典;漢訳『那先比丘経』;説一切有部系のテキスト)
3 思想篇(無我の思想;業論;輪廻思想;修行;涅槃論)
4 付篇 ミリンダ王故地旅行記(パキスタンとは;旅行日記)
著者等紹介
森祖道[モリソドウ]
1934(昭和9)年、東京都に生まれる。東京大学大学院人文科学研究科博士課程(印度哲学専攻)修了。文学博士。スリランカ・イギリス留学。東方学術賞・パーリ学仏教文化学会特別賞受賞。元愛知学院大学文学部・大学院教授。パーリ文献協会(イギリス)日本代表
浪花宣明[ナニワセンミョウ]
1948(昭和23)年、石川県に生まれる。大谷大学大学院文学研究科博士課程(仏教学専攻)修了。インド・プーナ大学に留学、博士号(Ph.D)取得。現在、中村元東方研究所(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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