出版社内容情報
木田 献一[キダ ケンイチ]
著・文・その他
内容説明
モーセに始まる古代イスラエルの預言者たちは、ユダヤ教とキリスト教とイスラム教の源泉となった人々である。預言者の宗教の最大の特色は、超越者の啓示を直接受領して活動するところにある。ここに彼らの宗教体験の普遍性の根拠がある。さらに彼らの宗教の特色は、直接的啓示によって、あらゆる権力や伝統から自由になるところにある。しかし、その結果逆に自らの権威を絶対化し、再び強固な伝統を形成する危険も持っている。東洋の宗教である仏教も、その教えの根源性のゆえに、預言者的宗教の一つに数えることができる。西方の普遍的諸宗教の源となった古代イスラエルの預言者たちを学ぶことは、もう一つの普遍的宗教である仏教との対比を通して、現代世界の切迫した課題である諸宗教間の真剣な対話に新しい可能性を切り開くであろう。
目次
1 『旧約聖書』とは何か
2 預言者とは何か
3 時代区分
4 初期預言=モーセからエリシャまで
5 アッシリア帝国の興隆と古典期の預言
6 アッシリア帝国から新バビロン帝国へ
7 ユダヤ教団の確立と黙示文学
著者等紹介
木田献一[キダケンイチ]
1930年生。青山学院大学文学部基督教学科卒業。同専攻科修了。東京教育大学大学院哲学研究科修士課程修了。ニューヨーク・ユニオン神学校留学、STM取得(1961)。ミュンヘン大学神学部留学、Dr.Theol.取得(1975)。立教大学文学部教授を経て、1998年より山梨英和短期大学学長、2002年から2010年まで山梨英和大学学長。2013年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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