出版社内容情報
梶原 寿[カジワラ ヒサシ]
著・文・その他
内容説明
一九六〇年代末から登場した解放の神学は、それまでの西欧中心の伝統的思考様式とは根本的に異なる新しい思考様式を提示した。そしてそれは今やイエス・キリストの福音の原点に生き生きと迫るダイナミズムを、世界の至る所で発揮している。この新しい神学運動の担い手たちはアメリカの黒人、そしてラテン=アメリカ、アジア、アフリカ等の第三世界の被抑圧民衆、また第一世界内部の抑圧された女性、障害者、子供たちである。彼らは人間としての解放への叫びの文脈の中で、聖書を自分自身の目で「読み直し」、自らの頭と心で「考え直す」作業に携わっている。そこにあるものは生きることの感動の再発見である。本書はその解放の神学の先駆者の一人であるアメリカの黒人神学者ジェイムズ=コーンの歩みを、著者自身の自分史に関わらせながらたどることによって、その感動を追体験しようと試みている。
目次
第1部 解放の神学と自分史(解放の神学との出会い;自分史の回顧)
第2部 解放神学の先駆者ジェイムズ=H=コーン(ビアーデンからエヴァンストンへ;黒人神学の構築に向かって;出会いと挫折、そして再構築)
著者等紹介
梶原寿[カジワラヒサシ]
1932(昭和7)年、山梨県に生まれる。日本基督教団牧師。名古屋学院大学学長・理事長を経て、同大学名誉教授。2014年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Go Extreme
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黒人解放と民衆神学 コーンの初期ーコーンの少年時代、神学生時代、ユニオン神学校での経験 キリスト論に関する考察 民衆の神学ーコーンの思想の中心概念 様々な出会いー出会いを通じて思想を深めていった 公民権運動への関与 黒人神学 人種差別問題 黙示録的視点 心の共同体 ユニオン神学校の多元性ー多様な構成員からなる多元的な機関 黒人共同体の道 神学的メッセージー黒人共同体の経験に基づく アメリカ社会 ーアメリカ社会の現実を反映・批判的考察 コーンの業績ー著作や活動2025/01/11