出版社内容情報
石木 隆治[イシキ タカハル]
著・文・その他
内容説明
マルセル・プルーストはフランスの十九世紀末から二十世紀初頭のベル・エポックに生きた作家で、フランスの歴史の中でも最も優美な時代の空気を吸いながら、『失われた時を求めて』という唯一の作品を書き上げることに一生を投じた人物である。彼の書いた作品は、当然にも優雅で美しい。けれども、十九世紀末の象徴派のような、過去を感傷的に喚起している作品だと考えるならば、これほど間違った想像はないだろう。この作品は全体としてはきわめて健全に力強く前進していく。その結果として最後に得られる世界は二十世紀にふさわしい輝かしい美の世界である。プルーストを読むことによってわれわれは現実を見る目を刷新され、われわれの日常がどれほどの魅力をもって輝いているか気づかされることになるだろう。
目次
第1部 プルーストの生涯(幼年時代;リセ時代;青年時代;創作の時代)
第2部 プルーストの作品と思想(初期の作品;『失われた時を求めて』)
著者等紹介
石木隆治[イシキタカハル]
1947(昭和22)年、東京生まれ。早稲田大学大学院仏文科博士課程修了。文学博士(パリ大学)。元東京学芸大学教授。アテネ・フランセ講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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