出版社内容情報
村上 隆夫[ムラカミ タカオ]
著・文・その他
目次
1 メルロ=ポンティの生涯(最後の「良き時代」;「人民戦線」の時代;「抵抗運動」の時代;「レ・タン・モデルヌ」の時代;「レクスプレス」の時代)
2 メルロ=ポンティの思想(『行動の構造』;『知覚の現象学』;歴史と身体;言語と身体;絵画と身体;『見えるものと見えないもの』)
著者等紹介
村上隆夫[ムラカミタカオ]
1947(昭和22)年埼玉県に生まれる。東京教育大学文学部卒業。群馬大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nbhd
16
大切そうな文章を2つ抜き書き。「たとえば私の右手が私の左手に触れる時、私は左手を『物理的な物』として感ずるが、しかし同時に、私がその気になれば、まさしく、私の左手もまた私の右手を感じ始める。それが身体になり、それが感じるという異様な出来事が起こるのだ。」「私が高い位置から世界を見下ろす場合には、見下ろされた物のパースペクティブは、逆に私の身体が高い位置にあることを私に教えているのであって、上から俯瞰する私は、その時見られた物が下から私を仰ぎ見ていることを知るのである」。これがメルロ=ポンティ。2017/04/26
さえきかずひこ
8
メルロ=ポンティはデカルト以降の二元論を克服し、自身の哲学を打ち立てようとした。その材料としたゲシュタルト心理学と現象学の重要性を詳らかにし、加えて母を深く愛したカトリック教徒としての彼の哲学の背景を繊細に素描する一冊。読み進むにつれ、哲学を科学では無く藝術とし、絵画を広く好んだ人間味のある思想家の姿が立ち現れてくるので、とても親しみやすい。2018/02/11
柳田
4
メルロ=ポンティは、サルトルとはみごとに対象的な人間だったらしい。彼との友情関係が生涯続いたというのも不思議で、真面目な人だったから早死にしたのだろうか。まあサルトルが嫌いになりメルロ=ポンティに好感を持った。私生児だったというのはちょっとびっくりして、本人はそれは隠しておきたかったらしいが、偉くなるとそうもいかなくてたいへんだなと思った。自分のことをあまり語らなかったそうだから、伝記的な資料は少ないのだろうが、フランス語ではいろいろ書かれているのだろうか。2018/01/18
huyukawa
0
少し時間がかかった。哲学は科学と別次元のイメージが合ったが(それは今でもあるが)、視知覚からの哲学的理解は非常に面白かった。2018/06/13