出版社内容情報
村上 伸[ムラカミ シン]
著・文・その他
目次
1 牧師が暗殺計画に加わるまで(衝撃的な問題;「キリスト者」としてのボンヘッファー;「同時代人」としてのボンヘッファー;国防軍情報部に入ったボンヘッファー;ボンヘッファーの逮捕と獄中生活)
2 ディートリッヒ=ボンヘッファーをめぐる人々(家族;神学上の師;告白教会の仲間たち;婚約者マリア)
3 ボンヘッファーが残した思想的インパクト(『倫理』;『獄中書簡集』における新しい思想)
著者等紹介
村上伸[ムラカミヒロシ]
1930(昭和5)年、福島県に生まれる。東京神学大学修士課程卒業後、愛知県で牧師。1966~68年、西ドイツに留学、組織神学を専攻。1974~78年、南西ドイツ福音主義教会世界宣教部研究主事。前東京女子大学教授。専攻はキリスト教学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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松本直哉
19
行動が夢の姉妹ではない世界に別れを告げて、剣を取って剣で滅びたい、というボードレールの「ペテロの否認」を想起しつつ読む。作業仮説としての神の否定、すなわち神がなんとかしてくれると希望して祈るのではなく、自らの手を汚してもこの世に神の国を実現する、そのために、ルター派の牧師でありながらヒトラー暗殺計画に関わって刑死というボンヘッファーの生涯は捧げられたのだろう。筆者はなんとか彼を教会の枠内で弁護しようとしているが、むしろ無力で無能で日和見な教会からあえて離反することで彼はキリストに近づいたのではなかろうか。2018/12/07
もよ
10
牧師でありながらヒットラー暗殺に関わった人物の内面に様々な角度から迫った良書。 ボンヘッファーは、世の中の不思議を便利に説明する「作業仮説としての神」を否定し、よくある「罪と死からの救い」のための「内面的な神」でもなく「生の真っ只中で認識され」「歴史を動か」す現実的な神=キリストに従い行動した。 「神の前で、神と共に、われわれは神なしに生きる」2016/08/21
燐寸法師(Twitter @matchmonk)
1
彼の生きた時代の神学的・社会的な文脈も踏まえて分かりやすく解説されている。神学の類の本を読み慣れてない読者にやさしい一冊。2021/12/30