出版社内容情報
花房 英樹[ハナフサ ヒデキ]
著・文・その他
内容説明
白楽天の詩歌は、制作からさほど隔たらぬ時期に、異民族の間まで読み歌われたのは、ただに大沙漠の地のみではなかった。やがては大沙漠から遠く東南のかた「日南」即ちベトナム、さらには京都長安の東北なる東海の彼方にあった「〓(けい)林」即ち新羅、はては大海の中なる「倭」と名ざされ「日本」とも自称する国など、「文字有る国」換言すれば漢字文化圏を覆って、白氏の歌声は響きわたっていた。それまで享受は多く創作を担う階層、あるいはそれらを遶る人びとの間に止まる傾向があった。その壁を突き破って、途方もなく大きな同心円を描く享受層を白氏は成立させたのである。
目次
1 官途の閲歴(生誕;科挙;左拾遺翰林学士;江州左遷;高級官僚;東部分司;致仕)
2 思想の位相(儒教的世界観;老荘的人生観;仏教的死生観;思想の位相)
著者等紹介
花房英樹[ハナブサエイジュ]
1914(大正3)年に生まれる。広島文理科大学大学院中退。京都府立女子専門学校教授、京都府立大学教授、京都産業大学教授を歴任。京都府立大学名誉教授、文学博士。専攻中国文学。1998年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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