出版社内容情報
泉谷 周三郎[イズミヤ シュウサブロウ]
著・文・その他
目次
1 ヒュームの生涯(ヒュームの時代;ヒュームの生涯)
2 ヒュームの思想(知性を主題として;情念を主題として;道徳を主題として;宗教思想;政治思想;経済思想;ヒュームから学ぶこと)
著者等紹介
泉谷周三郎[イズミヤシュウサブロウ]
1936(昭和11)年東京に生まれる。東京教育大学文学部卒。同大学院博士課程中退。現在、横浜国立大学教育人間科学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ころこ
38
前半は評伝で、後半は思想です。発達障害的でキャラの立ったルソーに対して、凡庸なヒュームという比較は随分損をしているようにみえます。因果論は凡庸さのイメージを跳ね付ける程、優れた思想です。社会契約説を批判した政治思想、アダム・スミスと接点があり、スミスと強調するように保護主義に流れず、穏健な自由貿易を主張した経済思想など、その他の分野への展開を興味深く読みました。2019/06/29
いとう・しんご singoito2
7
カントきっかけ。20代後半のヒュームは人間本性の学の「与えうる確固たる基礎は経験(experience)と観察(observation)におかれなければならない」と述べたそうだけどP74、そりゃぁ無茶。他者の死を観察できても経験はできないし、まして自分の死は絶対に観察も経験も出来ないのだから、その基礎はいい加減な伝聞や想定に置くしかない。だからヒュームの議論はどんどん経験や観察から離れて空想哲学小説になって行くのでした。泉谷さんはそれを認めたくないみたいだけど。2025/05/14
なつめいろ
5
ヒュームの伝記と思想を一冊で紹介した本です。伝記はともかく、思想部分の説明はなかなかひどいように思います。知性・情念・道徳についての哲学、それに宗教・政治・経済思想と幅広く扱ってくれているのはありがたいです(フィリップソンの本の邦訳が出て話題の歴史思想については紹介なし) 。しかし個々の説明は、ヒューム独自の用語が説明なしに使われたり、必要な前提が省略されていたりで不親切な感じが否めません。また、ヒューム自身の主張なのか著者の解説・意見なのかが判らない箇所も散見されます。あまりおすすめできない本です。2016/03/06
ポカホンタス
3
ヒュームのことを知りたくて読んだ。このシリーズにはよくお世話になる。内容がわかりやすく、コンパクトにまとめられている。特に、ヒュームのひととなりがよくわかるように書かれていた。ルソーとの大喧嘩の顛末も詳しく書かれていた。まさに、人と思想を結びつけて理解することができた。2016/07/21
うえぽん
2
D・ヒュームは、エディンバラの知の巨人の1人だが、同時期のルソーやスミスより知名度は低く、生存中から20世紀に至るまで過小評価されてきた哲学者・社会科学者。「人性論」中心に、人間本性に普遍的な諸原理があると唱え、自我は、恒常的で不変なものではなく、「思いもよらない速さで次々と継起し、絶えず変化する様々な知覚の束あるいは集合」とした。諸科学が專門分化する前の18世紀の啓蒙主義者の1人として、人間を人間本性と社会的存在としての人間との2つの側面から捉え、そのあり方に迫った思想家。次は人性論を読みたい。2023/04/23