出版社内容情報
工藤 綏夫[クドウ ヤスオ]
著・文・その他
目次
1 ニーチェの精神風土(ニーチェ思想の反時代的な時代性;ニーチェが生きた時代;時代の三大思想潮流とニーチェ;ニーチェをとりまく自然)
2 ニーチェの生涯(「小さい坊さん」の生い立ち―幼年時代;魂の独立を求めて―プフォルタ学院時代;良師の理解ある導きのもとで―大学生時代;青年と時代の教師ニーチェ―バーゼル大学教授時代;自由なる精神の漂泊―病気と孤独のたたかい;たたかうニヒリスト―新たな価値定立者としての自立;狂気の中での生の黄昏―小児の心への帰郷)
3 ニーチェの思想(ニーチェ思想の根本性格;ニーチェ思想の発展段階;ディオニュソス的世界観;自由精神の哲学;ニヒリズム対決の倫理;ニーチェ思想と現代)
著者等紹介
工藤綏夫[クドウヤスオ]
1921(大正10)年秋田県に生まれる。1946年東京文理科大学哲学科倫理学専攻卒。秋田大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いきもの
4
文献学者崩れながら多方面に影響を与えたにニーチェの生涯と思想。ぶっちゃけ「うわぁ、こいつめんどくさそう」みたいな印象を受ける。キリスト教についてのルサンチマンを暴き出したが、ニーチェ自身、精神貴族主義というある種のルサンチマンに囚われた人生だったのではないかと思う。2024/07/30
んぬ
1
ニーチェの人生、著作、思想の全体を見渡せる。学生時代にツァラトゥストラも含め何冊か読んだ記憶があるので、それらの復習としてよかった。それにしても最後の章で指摘がある通り、ニーチェの問題提起人としての先見の明や現代への影響はすごいものがある。一方で永劫回帰や運命愛の思想は、キリスト教との対決で生み出されたものとはいえ、やっぱり理解しかねるというか、納得がいかないというか...俺個人への処方箋としての力は、問題提起の部分だけで十分だなと思ってしまった次第2022/03/05
クラウド
0
人生と思想をコンパクトにまとめてくれている良シリーズ。 文章の内容としては若干古さやいかめしさはあるものの、ニーチェの人となりやその思想の概略をよく知るためにはそこまで問題はない。2024/05/30