出版社内容情報
小牧 治[コマキ オサム]
著・文・その他
目次
1 幸福な生いたちと自己形成(この人を探訪しよう!;マルクスが登場してくる舞台;幸せな幼少時代と、その理想;多感の学生時代)
2 波らんといばらの道―理論形成と実践活動(青年ヘーゲル学派;『ライン新聞』での体験と反省;人間の解放をめざして―パリ時代のみのり;唯物史観と剰余価値論の育成;『共産党宣言』;二月革命と『新ライン新聞』;ロンドン亡命とどん底生活;科学的社会主義の仕上げ―『資本論』の完成;最期の力をしぼって実践活動へ―第一インターナショナルの創立から解散へ;肉体は死んでも、仕事は生きつづける)
著者等紹介
小牧治[コマキオサム]
1913(大正2)年京都府に生まれる。東京文理科大学哲学科卒。フランクフルト大学に留学。東京教育大学名誉教授。文学博士。2000年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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猿田康二
2
的場昭弘氏の「マルクスを再読する」の中でマルクス研究を始めたきっかけが本書だとわかり、ずっと読みたいと思っていた。本書で改めてマルクスの人生が一連の著作の内容同様、貧困と不幸の連続であったこと、まさにプロレタリアをそのまま実践している生活だったこと。それでも愛する妻との生活に決してユーモアを忘れなかったこと。(見つめあうたびにお互い笑いを抑えるのに必死だったという夫婦のエピソードにはホロリときた)彼が紡ぎだした哲学には血が通っており、だからこそ彼の著作が時代を超え読み継がれていると本書を読んでわかった。2019/06/21
クラウド
0
愛と情熱をもって、マルクスの人生を語ること。 それがマルクスの理解……主義ではなく、本人の思想に近寄ることの一歩であろう。 マルクスの著作の一部を掻い摘んで、現代ビジネス的社会を維持するために活かさせるような書物では、マルクスを学んでいるとは言えないのではないか。 逆に「マルクス主義」もまた、既に検討されているように、歪められた理解である、そういった読まれ方をされているだろう。 ならばまずは評伝に近づこう、意外なほどにあまりおおくない、マルクスの生を語る本へ。2025/02/19