出版社内容情報
工藤 綏夫[クドウ ヤスオ]
著・文・その他
目次
1 キルケゴールの生涯(キルケゴールと現代;キルケゴールをうんだ風土;キルケゴールが生きた時代;キルケゴールの生いたち)
2 キルケゴールの思想(匿名の表現形式について;審美的著作の思想について;哲学的著作の思想について;宗教的著作の思想について;キルケゴールと現代思想)
著者等紹介
工藤綏夫[クドウヤスオ]
1921(大正10)年秋田県に生まれる。1946年東京文理科大学哲学科倫理学専攻卒。秋田大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ころこ
34
昔の思想家哲学者ほど、その人物の生涯や時代背景を知らないと十分に理解できないということを再認識したような気がします。前半は、19世紀デンマークの歴史的背景とキルケゴールの生涯を解説しています。後半は、彼の思想の解説です。各著作のサマリーになっており、大変参考になります。生涯は太宰治の様で、中二病的大袈裟さから成長していない思想という印象でしたが、けっこう頑張っており、読んで退屈ではなさそうです。本書が60年代に刊行されており、時代の空気によって生き生きと書かれていることはあるものの、意図は成功しています。2018/11/03
ATS
5
★☆☆前半の生涯については面白く読めたが、後半の思想になると難解でよくわからなかった。個人的にはキルケゴールという人はめんどくせー、好きなら結婚したらええやんっておもった。2018/10/19
レートー・タト
4
キェルケゴールの生涯、思想について紹介している入門書。古いものだが、キェルケゴール入門としては幸い吉な本。というか手に入り安さも含めて、キェルケゴールの「まともな入門書」と呼べるものという以前に、邦語で全体を簡単にまとめている入門書がこれの他にない。細かい点を言えば色々異論はあるし、訳語や訳文を更新しなければならない点は色々あるだろうが、入門書なので、ガイドブック的な役割を果たしてくれれば十分だと思うし、本書はその役割を果たしてくれているだろう。2017/04/29
くり坊
3
本書の目次から、第Ⅱ章「キルケゴールの思想」の「宗教的著作の思想について」(160~197頁)を通読。『死に至る病』と『キリスト教の修練』が「本来、一体のもので、前者が信仰の前提としての罪の自覚を、後者は救済をその主題とするものである」(173頁)と書かれていたので、次はキルケゴール著作集(地元の図書館に在架あり)から、『キリスト者の修練』を、ぜひとも読んでみたいと、そう思った。2021/10/05
武井 康則
3
発行が1966年10月25日なので、それなりの内容。時代なのだろうが、キルケゴールの生涯を語り、その影響が思想を作ったとする。だから、他との影響とかテキストそのものの評価がとても弱い。またなぜ1966年などという古いものを使っているかと想像すると、たぶん、神学的、思弁的(裏付けある思考、分析でない程度の意味と思ってください。)で今となってはもう残念ながら哲学史のみの人物になってしまったからだろう。2019/03/07