内容説明
パースは19世紀のアメリカの思想に初めてその独創的な姿を示した。パースの思想は初めてアメリカが世界に語った思想であった。アメリカはそれまで独自な思想を表現できずにいたが、パースはそれをプラグマティズムにおいて語ったのであった。私たちはまたパースに典型的なアメリカ人の姿を見る。本書ではパースの生き方を描いており、その生き方を通してパースの哲学を綴ろうとした。いま世界の人々はようやくアメリカの思想に注目するようになった。少なくとも、その根のひとつはパース、特にパースのプラグマティズムに求められる。パースの思想は根底においてアメリカン・ウェイ・オブ・ライフが語られている。
目次
1 アメリカとアメリカ的思想の根
2 パースの生まれ
3 沿岸測量部とプラグマティズム
4 ジョンズ・ホプキンズ大学への就職の話と再婚
5 失楽園―1890年から1900年の時期
6 パースの晩年―1900‐1914年
7 パースの哲学
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ガラス
2
パースの生涯を綴った本。パースの生い立ち等を知りたい方にはおすすめです。パースの考えを知りたい方は、当たり前ですが、パースの書いた本を読む事をおすすめします。2013/05/22
greenman
1
パースはアメリカにプラグマティズムという思想を確立させた天才であり、またアブダクションという概念を演繹や帰納に加えた考え方として提示しました。本書は彼の人生をなぞりながら、かつパースの思想の骨子を紹介していて、パースとはどういう人物であり、その思想の大枠をつかむには最適だと思います。僕は本書でプラグマティズムが様々な空想的な概念を実際に肉付けさせる概念だということが理解でき、またこの思想を生み出したアメリカという土地が実質的なことを重視する場所なのだということもよくわかりました。オススメの1冊です。2013/05/09
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