内容説明
原子論と連続論とは、それぞれエピクロスとストアの自然学の根拠であった。しかし、アレクサンドロスの死亡にはじまるヘレニズム時代にあっては、彼らの主要関心は倫理学に向けられていた。エピクロスは、「かくれて生きる」ことを柱に、身体の無苦と精神の平静を説いた。ストアは、大自然の演出するドラマを理解し、それに参画して生きることを柱に、脱感情を説いた。この倫理的関心の方向の相違はそのまま知識論、とくに感情論の相違につながった。本書では、第1編の生涯論で、思想家の生涯を交友関係や、エピソードなどにもふれて、興味深く克明に記述、第2編では、その主要著書を選択して、概説とその中心となる思想を、わかりやすく紹介してあります。
目次
1 エピクロスの生涯と著作(エピクロスの生涯;エピクロスの著作)
2 エピクロスの思想(規準論〈知識論〉;自然学;倫理学)
3 ゼノンの生涯とストアの著作(ゼノンの生涯;ストアの著作)
4 ストアの思想(知識論;自然学;倫理学)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
大森黃馨
3
その内容は初心者向けでは無く難しく感じられる或いは嘗て1970年位まで存在していた教養主義に基づいて書かれたのかもしれないと思ったが以前に読んだ同シリーズのニーチェではそんな感想は抱かずもしかしたら単に資料の少ない人物であるが故伝記的記述に書くべきものがそれ程無くまたソクラテスに比べて軽視されがちという気概から力が入り過ぎた結果なのかもしれない2022/10/29
左手爆弾
1
入門書調の割りに、独特の文体と構成でどうにも読みにくい。エピクロスは原子論なので、物体を離れて存在するものは何もないと考える。だからこそ、論理学に対しては批判的。その反面、感覚に対しては強い信頼を持ち、その点で後代の懐疑主義的な経験論者とも異なる。さらに伝統的な原子論に「重さ」と「傾斜運動」を導入することで原子の衝突が起こるとした。一方、ストア派は論理学や共通観念としての知識論を重視し、唯物論的・内在的な一元論にその特徴がある。だからなのか、その倫理学が目指すのは自然との合一に近いものである。2016/04/24
クマリカ
0
今のわたしには全く歯がたたない内容。 特に学校で体系的に歴史・倫理・哲学を学んでいないわたしには無謀・不遜とも言える位無理。 だけど堅いが滋養に富む食物をかみしめながら食すように、時間を掛けて丁寧に読んだ。 ここから枝分かれしていく哲学の系譜の先を学びたいと思った。 特に決定論と自由意志に関するその後の発展を知りたい。 ユングの共時性(意味のある偶然の一致)へと続くそれを知りたい。 『神的で全体的自然と意識的に一体化すれば、人は可死的な神となる。可死性はいささかも損傷ではない』密教との共通性を感じた。 2014/02/03




