出版社内容情報
片桐 顕智[カタギリ アキノリ]
著・文・その他
内容説明
斎藤茂吉は、みちのくの山形県上山市在に生まれ、医師を志して一家をなし、かたわら、近代歌人の巨匠となった。歌人としての全業績は、全集五六巻におよび、短歌・歌論・研究・随筆など文化勲章に輝く光彩を放っている。子規の根岸派の写生論を継承して、実相観入の歌論に発展させ、万葉集を主とする古典研究には、独自の足跡を残した。また「赤光」にはじまるその歌風は、真の意味の近代性をうちたて、膨大な作品となった。大正期のアララギ時代の現出は、茂吉の歌論と実作によるものといっても過言ではない。郷土的なものと万有的なもの、古典的なものと近代的なものとを兼備した偉大な歌人であった。そこに茂吉の魅力があるといえよう。茂吉が近代文学史上に残した業績は、まことに広大であるといわざるを得ない。
目次
第1編 斎藤茂吉の生涯(茂吉のふるさと;中学・一高時代;「赤光」から「あらたま」への時代;長崎時代;滞欧時代 ほか)
第2編 作品と解説(「赤光」の歌;「あらたま」の歌;「ともしび」の歌;「白桃」の歌;「小園」の歌 ほか)
著者等紹介
片桐顕智[カタギリアキノリ]
1909(明治42)年長野県に生まれる。東京大学文学部国文科卒。NHK文芸部長、放送文化研究所をへて、中央研修所(顧問・教授)、跡見女子大学教授を歴任。1970年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。