出版社内容情報
「日本料理の四季」で2度実施した特集記事を基礎に、大幅加筆。
魯山人が大正時代の婦人雑誌に寄稿した料理レシピの再現、
料理人たちの前で魯山人が行なった講演など著作集未収録の文章など、新資料が多数登場。
現代の料理人たちが魯山人の器とどう向き合い、どう使いこなしているかを紹介するとともに、
従来の魯山人本ではまったく語られてこなかった、魯山人と彼がたずさわった料理店の実像に迫る。
◎目次より
第1章 レシピから再現する魯山人の料理[新宿割烹中嶋]
白汁魚王 野菜スープ 鯛の山椒焼 宵夜鍋 蛸の桜煮 茄子の田楽
第2章 魯山人に盛る、魯山人を使う
紀尾井町福田家 瓢亭 八勝館 割烹中嶋 竹葉亭本店 大原卯菴 温石 一福 あらや滔々庵
○魯山人を飾る―もてなしの場に見る、魯山人の多才
○コラム・魯山人、山城に遊ぶ
第3章 星岡茶寮とその周辺
東京星岡茶寮 大阪星岡茶寮 花の茶屋 星岡窯 銀茶寮 割烹中嶋 北大路 銀座食堂 驪山荘 春岱寮
○コラム・星岡茶寮とノベルティ
第4章 資料研究・魯山人と星岡茶寮
同時代史料で探る星岡茶寮誕生から魯山人追放まで
○魯山人と星岡茶寮年表
○新資料・魯山人料理論/星岡茶寮のレシピ集
目次
第1章 レシピから再現する魯山人と星岡茶寮の料理(白汁魚王;野菜スープ ほか)
第2章 魯山人に盛る、魯山人を使う(紀尾井町福田家;瓢亭 ほか)
第3章 星岡茶寮とその周辺(東京星岡茶寮;大阪星岡茶寮 ほか)
資料研究・魯山人と星岡茶寮(同時代史料で探る星岡茶寮誕生から魯山人追放まで;新資料・魯山人料理論 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こきよ
43
魯山人の作品を目にすると、カラヴァッジョがそうであった様に、芸術の才能は、素行の悪さが必ずしも、好ましく無い影響を作品に与えるとは限らないのがよく分かる。白洲正子女史曰く、〝独特の鑑賞眼を持ち且つ作品にそれを活かした〟魯山人。こと料理に関しては、衒う事無く、素材の色彩や持ち味を活かした美意識が貫かれており、深く感銘を受けたと同時に、彼の作品をより多く観てみたく思い読了した。2014/10/05
Kei
15
お料理を食べていて、水菓子が出ました。その際、あまりに器が素晴らしく、つい、よいですね、と言ったところ、魯山人でございます、と。(笑)それが、食物とともに、実用的な魯山人が供された私の初体験です。今や、美味しんぼで有名になりましたね。賛否両論あるでしょうが、因習から離れ、近代的、実用的で、シンプルにおいしい、を追及。料理人の地位を職人かつ、芸術家に引き上げた人。金、名前、名目とかいうものに全く囚われずに、本当に、自分の食べたいときに、食べたいものを食べる。一番の贅沢ですね。2014/02/01
タケヤ
1
非常に面白かったが、構成がよくなかった。 魯山人の焼き物を使って現代の料理人が盛り付けたものの写真で始まり、その料理人のコメントが続く。 そして、魯山人や星岡茶寮の歴史をまとめ、最後に魯山人自らの文章がくる構成となっていた。 料理人のコメントの部分は全部似たり寄ったりで面白くなく、中盤も星岡茶寮自体に興味がある人には面白いかもしれないが、私は魯山人について知りたかったのでイマイチ。 終盤が一番面白かった。 魯山人の素材を大切にするというのは大変共感できた。現代の料理は、新鮮でない食材を複雑に捏ね繰り回し、2017/03/30
fab4pug4
1
史実から魯山人を正しく捉え直そうという試みがおもしろい。残された資料から淡々と事実を、ということだが、過去の魯山人に対してのあらゆる評価に対して批判的になりすぎるあまり目的から外れている印象を受ける。レシピのサンプルにせよもう少しニュートラルな視点で編纂してあれば説得力が違った。2012/09/05
ともたか
0
きれいな器と見事な料理。魯山人の世界だ。 ただ茶寮への会員申込み人数の半数しか、 それも価値がわかるであろう人しか会員にさせなかった。 寮の評価や価値を上げるためにはいろいろと 策を巡らすことも必要なんだ。2012/03/15