内容説明
「まるでラファエロの描いた聖母マリアだ!」ソギノ家の令嬢“プリンセス・フローレンシア”を前に、メア卿は感嘆の声をあげた。しかし、その美しい顔には、なぜか不安の影が…。イタリアにやってきたイギリス貴族メア卿は、やがて二つの名門貴族の間に渦巻く黒い陰謀を知るのだった。―『マドンナの奇跡』。差出人不明の手紙に呼び出され、出向いたハイドパーク。ヘルストン伯爵の前に現れた女は、レディ・チェビントンの娘カリスタだと名乗り、チェビントン館からの招待を断ってくれと思いもかけない言葉を口にした。「うちにいらしたら無理やりわたしと結婚させられてしまうからよ」―『レディ・チェビントンの策略』。