内容説明
アレタが兄のハリー卿と暮らすキングス・ウェイト館。だが父の残した借金で、館の維持もままならない。そこへ、アメリカ人の大富豪から館を借りたいという話がもちこまれる。金に糸目はつけないというそのアメリカ人に館を貸すことにするが、不安な二人は素性を隠し、管理人として館にとどまった。(「ナイチンゲールは歌う」)。招きを受けたジャーヴィス卿の屋敷の庭で、まるで妖精のようにひっそりと一人娘がアルヴァストロード公爵の前に現われた。ジオーナと名乗ったその娘は、ひどくやせて、おまけに、背中に鞭のあとまであった。(「月光の妖精ジオーナ」)