内容説明
カニュエラは病弱な母とふたり、ロンドンの片田舎で人目を避け、暮らしていた。外交官の父は国家機密漏洩の疑惑をかけられ職を追われ、失意のうちに自殺してしまった。カニュエラは父の冤罪をはらすことを望みながら、生活を支えるため、秘書の職に就いた。ところが彼女を雇ったのは、偶然にも、父を罠にかけたラモン・デ・ロペスだった。深い恨みを胸に秘め、素姓を隠して働くカニュエラにロペスはアルゼンチンでの仕事を命じた。思い出と屈辱の、あのブエノスアイレスで…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ととめ
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アルゼンチンで外交官をしていた父が国家機密漏洩の疑惑をかけられる。帰国途中の船で落ちた子供を助け、そのまま帰らぬ人に。世間の冷たい風に、名を変え安宿で生活するヒロイン18歳。6歳もサバ読んで働く。父の秘書役もこなしていたので、父を見捨てた(とヒロイン母娘が思い込んでる)ヒーローの所でも大活躍。舞台がアルゼンチンに移ると、仕事以外にも有能なヒロイン。電波も飛ばす。逃げたヒロインを探し回って見つけた時のヒーローの様子が、なかなか良かった。ヒロイン母も、おじさまと結婚するのかな。死んだ父が不憫ではある。2016/07/19
こえん
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ヒロインと彼女の母が知らないうちに、外交官だった亡父の機密漏洩の疑惑が~という展開。ヒロインはアルゼンチン生まれのイギリス人でヒーローがアルゼンチン貴族、彼の強引さは爽快なくらいという部分があった。前半はヒーローを敵視していたのでちょっと読んでて鬱陶しかったし、都合よすぎっ!って展開もあったけど読後感は良かった。2009/09/09