内容説明
アレタは兄のハリー卿と共に、先祖伝来の屋敷、キングズ・ウエイト館に住んでいる。だが、父の残した莫大な借金のために館の維持も思うにまかせないありさま。そこへ、あるアメリカ人大富豪から館を借りたいと話がもちあがった。娘を公爵に嫁がせるために、イギリス貴族の生活を味わいたいというのだ。しかも、金に糸目はつけないという。アレタとハリーは素性を隠し、館の管理人としてそのアメリカ人を迎えることにした。数日後、花婿候補のスタッドハンプタン公爵が館を訪れる途中の事故で運びこまれてきた。アレタは一晩つきっきりで看病をする。夢うつつの公爵は、アレタの声をきくうちに、2年前の夜、バークレイ広場で出会ったうら若い1人の娘のことを思い出していた。