内容説明
ものにはそれぞれの形をした愛があります。けれどもそれは人間には見えない。人間がガラスを割っても、ガラスにとって、それはひとつの小さな変化に過ぎません。もの自体が幸福や不幸を感じるのではなく、辛いのはあなた、人間の心です。あなたが見ているのは本当は、ものではなく、あなた自身の心なのです。女の子をふんわりウキウキさせてくれる夢物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
10
タコと結婚したリリコの一番大切なものはイノチのこもった人形達。それをわかってもらえず険悪になった頃、人形達がタコを捨てに行ってしまう。それを追うリリコが行き着いた所は。1988/09/19
乳酸菌
1
おもちゃたちはリリコの心そのもので、冷蔵庫のようなガラスのハート(心臓)とリリコのおもちゃ箱はよく似ています。最後、空になったおもちゃ箱にタコの買ったサボテンのサボタンと、タコの本を入れようと考えるリリコの変化に嬉しくなります。2012/01/29
サト
0
たくさん物を持っているリリコと少ししか持たないタコ。ふたりが結婚して一緒に暮らす家はリリコの家財道具や持ち物であふれた。タコが言うには「リリコちゃんのおもちゃ箱」。大きな飾り棚には様々な人形がぎっしり並んだ。ある日タコがサボテンを買って飾り棚に置いた。リリコがお気に入りのティーカップやケーキ皿を置いたり、手紙を書いたりしていたテーブルには、ビールの空き缶やチーズの箱が置かれている。自分の物の中に自分のものじゃない物がある。この、言葉にできない苛立ちや焦りや不安や不満をプロローグで書いている。このイヤ~な感2015/08/08
金木犀
0
1987 サンリオ2