文庫A-126<br> ナボコフの1ダース

  • ポイントキャンペーン

文庫A-126
ナボコフの1ダース

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。

内容説明

「唯一の真実の数は1であり、残りは単に繰り返しにすぎない」このナボコフの発言は、ジョイス、プルースト、プーシキンなどの文学遺産を通ってプロチノスまで遡ることができる。現実が虚構の繰り返しか、その逆か。ともかく合わせ鏡ともいうべき意識の地獄を覗くために双生児のイメージが多用されるのは当然のことだ。同姓同名の男にまちがわれてレストランの鏡をこわしたといって逮捕されたり、借りたこともない本の返済を迫られるポオの「ウイリアム・ウイルスン」を思わせる「一族団欒の図、1945」、18才で傑作を書いてロシアのランボーといわれ、24歳で溺死したはずの詩人ペーロフを自称する老人が記念祭に現われる「忘れられた詩人」、家族から見世物にされる怪物双生児の話を読まれるがいい。本書は文体の魔術師ナボコフの溜め息の出るような美しい短編集である。