内容説明
ここにはラファティがいる―「ここには、今まで決して明かされなかった“地上の楽園”のありかが、その正確な経緯度の読みで、最後の秒単位まではっきりとしるされている。」「さあ、悪夢をひとつに織り上げていただきたい。もしでき上がったときにひと声の絶叫とともに夢から醒めなかったら、どこかで織り方を間違えたのだ」と、まあこんな具合で、突拍子もないお話である。読者の健闘を祈る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
36
まるで熱に浮かされたかのような文章の綴れ織り、そこここに散りばめられた物語のピースはたわごとかそれともお得意のほら話。前口上で〆られた一文「それにしてもおかしな前置きだな。私にゃなんのことやらさっぱりわからない。」をそのまま作者にお返しいたします。作者曰く「どうしてワーズワース的…閃き、ベーコン的…展開、ビアス的…皮肉に従わないといけないんだ。」ごもっとも、それでこそラファティ2014/10/24
スターライト
2
悪魔が常に、頭に角を持ち、山羊の蹄ととがった尻尾を持ってこの世に現れるとは限らない。そして、ほかならぬ自分自身が悪魔でないと誰が言えるのか。カトリック教徒だったラファティの意図は無宗教の僕には汲み取れないが、フィネガンやサクソン、パパ・デビルなどの個性的なキャラクターが織りなす物語、そして作中で語られる事実とも虚構ともつかぬ奇妙なストーリーを純真に楽しむ方がいいかも知れない。それにしても、ドールって何者だったんだろう?2010/09/18
robauma
1
独特の語り口で面白かったが、難解だった。 何が本当で何が本当ではないか、そもそも悪魔というのが、メタファーなのか、どうなのかも分からなかった。 レトリックな航海に出かけた気分。2019/07/21
たいりく
0
★★★★ 30年ほど積んでたがついに読了。2016/05/03
更新停止中
0
難解だと聞いていたので身構えてたけど、「蛇の卵」の直後だったせいか「いやすごく親切丁寧に『種明かし』してくれてる」と思った。前口上でもうどういうものか殆ど言ってるし、『私たちの世界を作り上げている分厚い基質の構造をすみずみまで把握する力がない』『人類の脳』にかなり歩みよってる。『蛇』読み終わった直後に『トマスモア』読み直さなきゃ、と思ったけど、これ読んだら『蛇』読み直さなきゃと言う気分に。/ラストがとにかく素晴らしかった。ドール嬢がこう来たか。2013/03/29
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