サンリオ文庫<br> ダニエル書

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サンリオ文庫
ダニエル書

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  • サイズ 文庫判/ページ数 477p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784387851080
  • NDC分類 933

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まふ

99
1950年代のローゼンバーグ夫妻原爆スパイ事件をほぼそのままの骨格で小説化した問題作。夫妻には兄妹の二人の幼い子供たちがいた。物語はこの兄妹ダニエルとスーザンが長ずるにつれて両親の処刑の事実を知り、ここから新たな意味付けを行い1970年代の新たな時代の転換へと意識を高めてゆく。「語り」は現在と過去が混在して読みにくい(モダニズムというらしい)。が、これが却って緊迫感を高めるのだそうだ。とは言え、私には伝統的語りが好ましい。夫妻の死刑の執行場面がリアルすぎた。G632/1000。2024/10/18

NAO

46
この作品は、ヴェトナム戦争の時代から60年代を振り返りながらアメリカの共産主義者の苦難の歴史をうかびあがらせることであの時代はなんだったのかを検証している。朝鮮戦争の真っ只中、原爆開発に絡むスパイ活動はアメリカ国家としては許すべからざる行為だった。左翼運動家にとっては、受難の時代だったのだろう。読んでいて、全く系統は違うが、高村薫の『神の火』を思い出した。2025/03/24

かんやん

28
ローゼンバーグ事件を脚色した長編。子どもの視点で当時の左翼運動と弾圧を描くが、時間のシャッフルと歴史、聖書、文明論などのコラージュで読み易くはない。冤罪か否か?ということに着眼点があるわけでなく、従って権力への怒りや思想の自由を謳うものではないところに作者の気概を感じる。涙はない。クライマックスの対決(と、その舞台設定)からラストへの流れがあまりにも劇的であった。しかし、これは気の滅入る鬱小説であって、ようやく読み終えて肩の荷が下りたようにほっとしている。偉大な作家かと思うが、あまりにも虚し過ぎた。2024/11/10

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