内容説明
震災後、東京の下町繁華街に正面を銅板やタイルで飾った、木造2、3階建ての商店建築の一群が生まれた。それは蔵造、塗屋造、出桁造の江戸東京の商店の町並みのなかへ忽然と出現した、モダン東京の一風景であった。この下町商人の粋とミエの建築群は再開発の波のなかでいまや風前の燈。今だから伝えられる決定版。
目次
1 出会い
2 江戸・東京の商店はどんなものか
3 大震災が街を根こそぎ変えた
4 看板建築の使われ方 看板建築の間取り
5 看板建築の表現
6 広がりの中で
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ごま
13
面白かった。本当に。写真が豊富でモノクロだけど食い入るように見つめちゃう。間取り図もいくつかある。出版からもう25年以上経つので現在はどんな姿に…果して残ってはいないか、と偲んでいてストリートビューがあることに気づいた。写真と共に書いてある住所を調べてみると、幾つかは見つけることが出来た。かなり興奮。文章もわかりやすく、夢中で読んだ。路上観察好きには堪らない一冊。2015/04/29
Gen Kato
0
再読。ここで取り上げられているのは、昔住んでいた自分の家であり、友だちの家。そして街の風景。ついつい写真に見入ってしまうのは、その街自体が今はもう地上に存在しないから。正面だけ洋風の銅張りで、後ろはただの木造家という、いかにも日本的なニセモノ感と貧乏くささ(笑)がいとおしい。2013/08/27
はにゅ
0
藤森センセイの本は当たり率が高い。エッセイもうまいし、視点がナイス。さすが路上観察学会員!2006/11/24