出版社内容情報
歴代の三省堂国語辞典から削除された1,000項目を当時の紙面のまま拡大して収録。
全項目に脚注を付し、「コギャル」「メーンエベント」など15項目には時代背景を大活字で解説。
巻末に版数別の削除項目2,000。
内容説明
辞書が削除した昭和、平成のことばたち。80年にわたる9回の改訂で削除された1,000語。
著者等紹介
見坊行徳[ケンボウユキノリ]
辞書マニア、校閲者。1985年神奈川県生まれ。早稲田大学国際教養学部卒。在学中に「早稲田大学辞書研究会」を結成し、副幹として『早稲田大辞書』を編纂。YouTube「辞書部屋チャンネル」で辞書の面白さを発信する。イベント「国語辞典ナイト」のレギュラーメンバー。辞書マニアが共同で辞書を保管して集まる「辞書部屋」主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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absinthe
134
ソ連が無くなったから「在ソ」も無くなったとか。一万円札の俗称としての「聖徳太子」とか。消えたのは無理ないな。懐かしい「コギャル」なども無くなって当然か。単語の追加や削除は、すべて客観的に基準というものはなさそうだ。そもそも採録する価値があったのか首を傾げる様な語もある。三浦 しをん『舟を編む』を読んだ後に眺めると面白い。2023/11/29
kinkin
104
面白かった。辞書に載っている言葉はただ増やすばかりでなく、無くなっていくのも多いのだね。個人的には残してほしい言葉も多かった。今の世の中、様々なものの移り変わりが早いので流行りの風俗や文化などは多くなるかもしれない。なんでもスマホで調べられる時代でも、紙をめくって言葉を探す。贅沢な時間だと思った。消えた言葉、知らない言葉の意味を知ることができた。図書館本2024/05/06
けんとまん1007
78
いろいろな言葉があったなあ~。それでも、初見の言葉も、それなりにあった。時代の変化、文化の変化と言えばそれっきりになってしまう。改めて、時間の流れの速さと、一方で根強く残る言葉も多いのだと思う。今、気になっているのは、言葉の使い方が軽く表面的になる傾向が、ますます強くなっているように思うこと。2023/07/25
がらくたどん
73
義妹からの誕生日プレゼント♪(実弟はなんにもくれないぞ)「三国」は暮らしの言葉。その時代の日常を「ことば」を通して映し出す。本書は明国から三国8版のどこかで削除された見出し語から千項目を精選掲載。掲載版ゲージ付きで削除(たまに返り咲き)の時期が一目で分かるゴキゲン設計。パラパラとめくればそこは言葉のタイムトラベル。萌えるわ~♪赤電話・姉様人形・ながら族・・そうか君はもういないのか。召集令状他戦中用語は1952年の明国改訂で。嫌な事は日常からさっさと忘れられたんだな。昭和中期にサッサと消えた「生息子」→2023/06/14
キク
72
めちゃくちゃ面白い。広辞苑や三国の改訂版が出るたびに、新しく収録された新語については話題になる。でも消えた言葉たちは、ヒッソリと姿を消していた。本書はそんな三国から消えた言葉を1000項目集め、「何版から何版まで載っていたのか」「最後の収録時の内容」「消えた経緯を解説する脚注」で構成されている。「『何を手に入れたのか』のではなく、『何を失ったのか』がその人の人生だ」とどっかの小説で読んだ気がする。本書を読んでいくと、日本が何を失い、何を諦め、その結果として何を手に入れたのかが全体として掴める気がする。2023/05/13