内容説明
「単純なる事棒の如き句…ボーッとした句、ヌーッとした句、ふぬけた句、まぬけた句」を理想とした虚子の俳句の魅力はどこにあるのか。虚子俳句鑑賞の新しい手引書。
目次
第１章 虚無を飼いならした男（虚無を飼いならす；「虚子」とは何者か ほか）
第２章 俳句の力（沈黙の文芸；逆転の発想 ほか）
第３章 季題と想像力（「季題を殺す」；「季題の風景」 ほか）
第４章 孤独な選者（諷詠について；照れくささの美学 ほか）
著者等紹介
岸本尚毅［キシモトナオキ］
１９６１年岡山県生まれ。東大法学部卒業。波多野爽波に師事。現在「天為」「屋根」同人。句集『舜』により第１６回俳人協会新人賞、『俳句の力学』により第２３回俳人協会評論新人賞を受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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えも
12
カリスマだけど守旧派で、才能を見出した弟子が次々と離反した…っていうイメージがあった虚子だけど、ひたすら俳句とは何かと考え、自分なりに答えを見つけ、人に何を云われようと我が道を行く「貫く棒のような」人生には圧倒された。俳句とは「沈黙の文芸」、「芭蕉の芸術」と言いきり、ボーっとした、ヌーっとした句を良しとするその想い、少しは分かったような気がする。…前に読んだ碧梧桐もカッコよかったんだけどね♪2013/06/27
Kohei
0
作られる句も面白いけど、論評の力の抜け具合もまた面白い。
charlie_
0
名句でなくてよい。虚しさを虚しさのままに包み込むような俳句はないのでしょうか。もしかすると、それが虚子の言う「単純なる事棒の如き句、重々しき事石の如き句、・・・ボーッとした句、ヌーッとした句、ふぬけた句、まぬけた句」なのかもしれません。（第一章 虚無を飼いならした男「1 虚無を飼いならす」）／／／虚子の虚は、虚無の虚である。2011/11/24
