目次
1 狂言の家に生まれて(大蔵流山本東次郎家―武家式楽の伝統を継ぐ;山本家代々の熾烈な生き様;時代の転換期に生まれて―四世東次郎の誕生;戦時色;学童疎開;終戦後の稽古)
2 継ぐということ(伝統を守る;名人の舞台から学ぶ;立合い勝負;少年時代の語りの稽古;相伝の厳しさ;一調二機三声;父が教えてくれたこと;声変わり・腰高のころ)
3 父と子(『三番三』;迷いと葛藤;『宗論』の思い出;いよいよ『釣狐』を披く;間狂言)
4 親父の眼(見た目と内実;三世東次郎の間狂言への思い;融通無礙の境地;開眼―粟田口の場合;『花子』;三老曲の習いについて;老いの境地)
著者等紹介
原田香織[ハラダカオリ]
1959年北海道生まれ。東北大学大学院修了。現在、東洋大学文学部教授。専攻は中世文学・能楽研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みつひめ
3
聞き手の姿勢がちょっと・・・という部分があるのだけれど、東次郎先生のお話がとてもステキなので、そのへんには目をつぶって読みました(笑)。それにしても、やたら「式楽」という言葉にこだわるのは、どうなんでしょうか? たしかに、江戸の狂言を伝えていくことを大切にしていらっしゃるのはわかるのですが、それと「式楽」は別のことなんじゃないのかなぁ?と思うのですが。2010/07/26
ebi_m
0
東次郎さんの話し方が思い浮かぶ本だった。山本家を無理に古きよき昭和みたいな方向に位置づけようとしたり、他家を下げるようにもとれる纏め方はどうかと思わないこともないが、とにかく筋の通った育ち方をされているのだなと実感。そして堅いといわれがちだけど山本の狂言はすごく面白いと思う。2010/07/11