内容説明
11家族が実名で語る小さな小さな命の物語。
目次
ママのおなかに赤ちゃんが生まれた。
お母ちゃん、遊月ちゃんはコタルになったの。
とってもきれいな赤ちゃんよ。
一目会って抱きあげてやりたかった。
佳菜も美文も、短い命を承知で私を選んでくれたんだ。
ひかるは私に「生きて!」と言っているのだ。
ゆりかごの歌を、さおちゃんに唄うよ。つぎはしおちゃんに唄うよ。
麻衣ちゃん、きれいなお花がいっぱいで良かったね。
この手に抱けなかった息子、温
七か月を生きた君へ
和香奈ちゃんのこと、ぜったい忘れないからね
たっちゃんの一年十一か月
かっかが飛んでいかなくて良かった
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鈴
24
次男が病気を抱えて生まれたとき、長男は「生きていてくれて良かった。生きてるだけで幸せ」と言った。本当にそうだと思う。生きていることも、健康な赤ちゃんを生むことも、決して当たり前のことではないのだ。当たり前だと思っている幸せの裏で、誰かが病気になったり、流産したり誕生死したりしている。どの話も長男が生まれるより前の話で、今なら考えられないような病院の対応にゾッとする場面も。今はネットで調べることが出来るし、同じ境遇の人を探すのも簡単だろうが、当時はそれもなかなか難しく孤独を感じたお母さんが多かったようだ。2014/07/26
南
14
先月、妹が初めての長女を死産しました。妹が経験するまで、私の身近にも流産、死産、異所性妊娠と経験した人がいたのに、あぁ、そうかぁ、と特に深刻にならずいました。…本当はえらいことなんだとやっと分かりました。この本の中ではママ、パパ、きょうだいの視点で素晴らしい文章力により状況、気持ちが書かれています。経験者でないのにポロポロ泣けて、読む姿を見られたくないなぁと思いながら、日数をかけて読了しました。死産、流産などの多さに驚き、どの妊婦さんにもありうると心得て日々を過ごしたほうがいい、と思いました。2024/12/14
はな
14
本当は去年読み終わっていたけれど、感想が書けなかった本。システム上書かなくてもいいけれど、そのまま読了にはできませんでした。新しい命が誕生することは全てが奇蹟であること、その奇蹟をよろこぶことの大切さを改めて感じた。2015/01/29
aya
5
ふと、タイトルに惹かれて手に取った本。私自身仮死産で生まれ、『誕生死』のこどもとなる可能性がありました。それでもこうしてあのころから20年も生きられているという事実に重みを感じます。強く健気な彼女たちの姿に胸を打たれます。人には悲しい出来事を、乗り越えて生きる力強さが宿っているのだと感じます。2016/10/23
シロクマ
4
学校の図書館にもなくて色々な本屋を巡ってもなかったけど 、地元の本屋に帰ったら取り寄せてくだっさって読むことのできた 念願の1冊。 母性実習に行ってから、母性や愛着形成、奇跡などと言うことにすごく興味を持つようになって 、 自分が今生きていることは何重もの奇跡が重なってるからなんだな~と感じ、その想いを忘れないように、また流産・死産・新生児死を経験された方の 気持ちを少しでも知りたくて読んだ。 涙がボロボロ流れた。 お母さん、お父さんありがとうと思える1冊です。 2011/07/04