出版社内容情報
「文章を正確に読み取りましょう」
「でも、どうやって……?」
文字記号を脳内で映像化する「認識力」を高めることにフォーカスした国語の授業づくりを、理論と実践の両面から追究した一冊。
前作『思考力を高める授業 作品を解釈するメカニズム』に引き続き、わかりやすく取り組みやすい授業提案が満載。
「理論編」では、言語学の知見や他教科の先行実践などを用いて、国語で使える「読みの解像度を上げる」方法論を整理・解説する。
「実践編」では、「理論編」で示した方法論を実践に落とし込んだ例を、豊富な図版と児童・生徒反応例とともに紹介する。
【実践編で取り上げる授業の例】
?「トロッコ」(芥川龍之介)で、良平がたどった道筋を絵巻物にしてみよう。
?「少年の日の思い出」(ヘルマン・ヘッセ)の登場人物を演じて、クラスメイトからの質問に答えよう。
?「大造じいさんとがん」(椋鳩十)を「色」に着目して読み、登場人物の心情や描写の意味を読み取ろう。
?「たぬきの糸車」(岸なみ)の登場人物の心情を吹き出しの中に書き込もう。 など授業実践例を全9本収録!
内容説明
どのように人は文字記号を理解していくのか。
目次
序章(文字記号の映像化;私たちは理解していない)
第1章 理論編 読みの解像度を上げる理論と方法(『一般言語学講義』(F・D・ソシュール)―思考を言語化するということ
一般意味論(A・コージブスキー)―言葉の「概念」と言葉の「階層化・差異化」
認識の仕方を学ぶ授業―文章の映像化の解像度を上げる
認識の仕方を学ぶ方法論―読みの解像度を上げる方法論
読みの解像度を上げる授業の解説―「朝のリレー」(谷川俊太郎)から)
第2章 実践編 読みの解像度を上げる授業の実際(音読のネーミング 音読の方法を考える(実践提供 手塚健斗)―「名前を見てちょうだい」(あまんきみこ)から
視聴覚教材の提示 本文と図像の対応を考える(実践提供 〓橋正充)―「馬のおもちゃの作り方」(宮本えつよし)から
図示化 作品世界を地図にする(絵巻物を書く)(実践提供 元井啓介)―「トロッコ」(芥川龍之介)から
劇化 ホット・シーティング(実践提供 遠藤正笛史)―「少年の日の思い出」(H・ヘッセ)から ほか)
著者等紹介
佐藤佐敏[サトウサトシ]
新潟大学大学院現代社会文化研究科博士後期課程修了。博士(教育学)。新潟県内の中学校、新潟大学教育人間科学部附属中学校教諭等を経て、福島大学人間発達文化学類教授。専門は国語科教育学。日本教育実践学会理事。実践に役立つ授業理論の構築を目指している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。