内容説明
ウラジオストク。要塞都市、商業都市、文化都市としての多彩な顔をもつロシア極東の華。この街が体験した激動の歳月に、日本とロシアの来し方を読み、行く末を望んで、歴史の魅力を満喫させる連作エッセイ。
目次
北船南馬
アムール問題
露国東鎮
太平洋新時代
良港難路
一衣帯水
南海航路
拓地殖民
悪疫襲来
日常茶飯〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
A.T
22
1992年のソ連崩壊から早くも30年近くが経ったが、本書は現代というよりも、1860年代旧ロシア時代から始まる植民、1895年の日清戦争、1901年から始まったシベリア鉄道敷設、1904年日露戦争、1911年の第一次世界大戦頃までが日本人がここで住んでいられたということ、といった歴史資料の整理が主な内容だった。旅行に先立つ資料読みには残念だったが、歴史を知るのも無駄ではない。日本史として知ってることも、ロシア史から改めて読むのは目線が違っていて面白かった。2019/03/21
印度 洋一郎
4
19世紀半ば、ロシア帝国の最果てだった極東に生まれた都市ウラジオストクのロシア革命後までの歩みを、エッセイで綴ったもの。エッセイとは言え、凄い情報量で、太平洋に進出したいロシアが生み出した町の発展、そして日露戦争、革命と内戦と様々な歴史と関係していたことがわかる。中でも、ウラジオから見た日露戦争という視点は、なかなか新鮮だ。そして、この街には中国・朝鮮・日本の近隣アジア諸国の居留民も住んでいて(特に中国人が圧倒的に多い)、アジア色の強い町でもあった。やはり地理的に近いので、日本とも関わりも深い。2019/06/22
ヤンヤン
1
ロシア極東、とりわけウラジオストクを中心として、東アジア周辺諸国との交流の歴史が書かれています。 地名がけっこう出てくるので、地理に弱いと少しつらいです。 地図を見ながら読んだ方が、想像しやすいかもしれません。2013/11/14