内容説明
オルタナティヴの系譜! イギリス社会主義の歴史を,オルタナティヴ―現状を克服し,あらたな社会をつくりあげようとする試み―の視点から再評価する。イギリスの泰斗と日本の第一線の研究者による,画期的論文集。
目次
初期社会主義とオルタナティヴ(ロバート・オーエンの経済思想―オルタナティヴ思考への貢献;通貨改革と初期社会主義)
労働組合と社会主義(マルクス・労働貴族・生産協同組合;1889年の人々―新組合主義からサンディカリズムへ)
リベラリズムと社会主義(バートランド・ラッセル―自由主義から社会主義へ;ロイド・ジョージの「黄金の夢」)
労働党オルタナティヴ(ハロルド・ラスキの「同意による革命」論;第3次労働党政府と計画の思想;1945年以降の労働党)
イギリス社会主義史研究のための参考文献
感想・レビュー
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うえ
6
オーエンやマルクス、ラッセルやロイド・ジョージ、ラスキらを扱う「(第一次)大戦の初めから、ラッセルは、単純に破局の責任をすべてプロシアの軍国主義におわせてすますことのできない、あらゆる人々と明らかに同一視されていた。政治についてラッセルは、非人格的な関係や、さらには彼が経済にはめったにもちこまない「体系」に対する理解を示していた。「勢力の均衡」の追求、つまり世界的な権力が存在するはずであった国際社会全体に無秩序の存在することは、これやあれやの強国や国家連合の有害な意図よりもはるかに重大であると考えられた」2021/11/18