感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
myth.s.999
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関口の若い頃の日記や手紙が読めるという一点にこの本の貴重さがある。どこの語学者の日記や手紙が死後出版されるというのか。手紙とはかくもかっこよく哲学的に書くものなのか。関口が若くして子宝に恵まれた天才だったからこそ、糊口のための文法書や翻訳本を出版される「局面にぶつかり」「羽目に立ち」、現代の一般素人の我々が関口文法読むことができるというこの「行きがかり」を私は幸福に思う。もっと研究書を読みたかった、ドイツ語で冠詞を書いてくれたほうがどんなに読みやすいか、翻訳本をもっと読みたかった。運命への嘆きは尽きない。2023/05/23