出版社内容情報
カート・ヴォネガットは、20世紀後半のアメリカで、多くの読者に愛され、日本でも翻訳が多く出版され、読まれている作家である。
本書では、第2次世界大戦のドレスデン無差別爆撃を体験したヴォネガットのトラウマとの戦いの歴史をたどりながら、包括的に批評する。14編の長編小説を出版された順に論じ、ヴォネガットのトラウマとの関わりかたの変化を、多くの先行研究をもとに紐解く。巻末には、豊富な文献リストを簡明な説明を付して掲載。
内容説明
読者に愛され続けたヴォネガット、トラウマとの戦いを読む。長編小説14編を出版順に論じる。
目次
第1章 出発―『プレイヤー・ピアノ』と『タイタンの妖女』(ヴォネガットとSF;『プレイヤー・ピアノ』―「移行期」のディストピア小説 ほか)
第2章 飛躍―『母なる夜』から『スローターハウス5』まで(トラウマに向かって;『母なる夜』―語り得ない罪、罪深い「ロマンス」 ほか)
第3章 迷走―『チャンピオンたちの朝食』から『ジェイルバード』まで(成功のあとで;『チャンピオンたちの朝食』―「切実」なメタフィクション ほか)
第4章 成熟―『デッドアイ・ディック』から『青ひげ』まで(キャリアの総括;『デッドアイ・ディック』―傍観者の罪意識 ほか)
第5章 終着―『ホーカス・ポーカス』と『タイムクエイク』(トラウマの先へ;『ホーカス・ポーカス』―ベトナム帰還兵の教え ほか)
著者等紹介
諏訪部浩一[スワベコウイチ]
1970年生まれ。上智大学卒業。東京大学大学院修士課程、ニューヨーク州立大学バッファロー校大学院博士課程修了(Ph.D.)。現在、東京大学大学院人文社会系研究科・文学部准教授。著書に『A Faulkner Bibliography』(2004年、Center Working Papers)、『ウィリアム・フォークナーの詩学―一九三〇‐一九三六』(2008年、松柏社、アメリカ学会清水博賞受賞)、『「マルタの鷹」講義』(2012年、研究社、日本推理作家協会賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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