内容説明
ノースロップ・フライは、カナダの生んだ今世紀最大の学者・批評家である。『批評の解剖』、『同一性の寓話』等によって、壮大にして緻密な神話批評体系を構築。古今の文学作品のなかに時空を超えた同一性を追求し、作品解釈より文学をその起源まで遡って、これを体系化する文学形態論を目指す。本書は、宇宙や神話から始まった彼の壮大な批評体系が、次第にその網の目を絞り、ついにシェイクスピアの個々の作品に適用された文字通りの「最終講義」である。
目次
『ロミオとジュリエット』
『夏の夜の夢』
ボリンブルック劇―「リチャード二世」、「ヘンリー四世」
『ハムレット』
『リア王』
『アントニーとクレオパトラ』
『尺には尺を』
シェイクスピアのロマンス―『冬物語』
『あらし』