内容説明
いったいペンシルベニア大学で野口は、どういう変身を遂げたのであろうか。何とかその秘密を解くことが出来ないだろうか。秘かな希望を胸に抱いて、私は野口とペンシルベニア大学との関係を調べ始めた。
目次
日本とフィラデルフィア(クエーカー教徒開拓の地;津田梅子の場合;新渡戸稲造の場合;内村鑑三の場合)
アメリカへの道(フレクスナー博士の来日;日米医科大学の比較)
アメリカ大陸横断の旅
研究者としてのスタート
大いなる跳躍台(三つのメディカルホール;ドクトル野口の謎;ミッチェル博士の功績)
偉人をめぐる友・金・女(苦学が結ぶ友情;片想いに終わった初恋;野口の女性観;野口夫人は悪妻か)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
志村真幸
1
著者はペンシルベニア大学医学部の教授。 この大学は渡米した野口英世が最初に働き、成功への糸口をつかんだ場所として知られている。 本書は、ペンシルベニア大学(フィラデルフィア)時代の野口の事績を追ったもの。大学に残る記録を丹念に調査し、彼の身分の変遷、論文執筆、研究室のあった場所、下宿での生活などを明らかにしたもの。 それまでほとんど知られていなかったアメリカでの初期の生活について、実証的な研究をなしとげた点で、きわめて貴重である。 2019/03/09
8
0
ロックフェラーで野口の世話になったこともあるペンシルベニア大学に留学した医学者について参考になるかもという邪な購入動機だったけど、十二分に参考になったし面白かった。途中から日本の制度批判が混じるけど、留学生減少の構造的問題とそれに伴う研究力の低下が、30年以上経っても問題として認識されていない事自体が問題だろう。2022/04/01
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