内容説明
英国ケント州の田園都市ステュレンドンがダイアナ妃訪問に沸いた日に、町のホテル〈ブラック・スワン〉で女性が殺された。彼女の名はアリシア―20年前、美しく快活な彼女は地元の中等学校の「女王」だった。その彼女が20年ぶりに帰郷したとたん、殺されてしまったのだ。なぜ?ステュレンドン警察のサニット警部とラインハム部長刑事が彼女の空白の20年と死に隠された真実をさぐる、1985年度英国推理作家協会シルバー・ダガー賞受賞作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Susumu Kobayashi
7
イギリス作家ドロシー・シンプソンの唯一の邦訳長篇。本国でシルヴァー・ダガー賞を受けたから翻訳されたのだろう。スチュレンドンにダイアナ妃が訪問した日の翌朝、アリシア・パーネルという女性がホテルの一室で絞殺死体となって発見される。捜査を担当するルーク・サニット警部は、彼女を高校の上級生として知っていた。当時、彼女と恋愛関係にあった若者が自殺し、その後、彼女の一家は町を出ていた。丁寧に伏線が張られて、ミスディレクションもあり、説得力のある結末である。未訳作品にも光が当てられることを期待したい。2018/11/19