内容説明
16年前に兄を殺した不良少年たちが、当時の姿で転校してきた!高校教師を脅かす悪夢『やつらはときどき帰ってくる』、腐ったビールを飲んで怪物と化した父親『灰色のかたまり』、血の味にめざめたクリーニング工場『人間圧搾機』、宇宙飛行士の手の中に寄生した異星生物『やつらの出入口』、ラヴクラフトの暗黒世界に挑んだ『呪われた村〈ジェルサレムズ・ロット〉』など、鬼才キングが若さと才能のすべてをぶつけた傑作短編集『ナイト・シフト』、ここに登場!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
66
「地下室の悪夢」は労働環境が劣悪な工場の「あり得なかった筈」の地下室で遭遇したモノの描写に『ギレルモ・デルトロの脅威の部屋』の第2話を思い出す。呪わば穴二つ。だが、その後も被害が拡大し続けるのだと思うと暗澹たる気持ちで一杯になる。況してや仲間意識による善意によってだなんて・・・。「波が砕ける夜の浜辺」はコロナ禍を経た今だからこそ、生々しい。だからこそ、只の病気だと見くびっていたのが厄災である事や自分や周囲は大丈夫だと思い込む現実逃避も籠った楽観視、失われた可能性への哀悼と現実の妥協は今も変わっていないのだ2024/04/07
ニミッツクラス
8
86年の500円の初版を読んだ。サンケイ文庫の海外ノベルス・シリーズの一冊で、著者の名を冠した短編傑作全集の4巻目となる。元本は本国78年の「ナイトシフト」で、これには20編が収録され、サンケイはそれを2分冊して本書に10編を収録。後発88年に扶桑社からも文庫で出ている。お目当ては「人間圧搾機」で、読む前からイヤな感じがビンビン伝わってくる。「やつらはときどき…」は結末に対してその冗長さが著者らしい作品で、是非のある処。「波が砕ける…」はバラード、「呪われた村…」はドイルの好きな人にはお勧め。★★★★☆☆2018/05/22
あい
3
キングの短編はいい。日常を効果的に切りとって、その中により自然な形で恐怖を忍び込ませている…『子取り鬼』と『トラック』が特によかった。2014/05/25
shigejyu
2
「診察室にはだれもいなかった。ただ、洋服のロッカーが開いているだけだった。ほんの少しだけ。」「この世の中には、まともに向き合ったら気も狂わんばかりのものがたくさんある、といいたいだけなのだ。」2017/05/23
自称海外小説で誰が誰だかわからなくなる君
1
キングは30年も前にぼぎわんをやっていたんですね。2019/02/27