内容説明
霊学(オカルティズム)から読み解く三島由紀夫の空の形。批評でも現代思想でも射抜けない「肉体・文体・共同体」の生命核へ。
目次
第1章 太陽の神託
第2章 言葉から肉体の錬金術へ
第3章 肉体・文体・共同体
第4章 死の太陽
第5章 三島由紀夫と麻原彰晃
第6章 神聖な恫喝
第7章 力をも入れずして天地を動かし
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みみっちい二十九
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三島由紀夫の最後の作品である『豊饒の海』を読み終わったので、周辺知識の補完の目的で読んでみた。30歳を過ぎてボディビルを始め、肉体の改造に取り組み、肉体の変革が言葉、文体の改造へと繋がる。そして知覚できるあらゆるものを知覚しつくした三島には「すでに謎はなく、謎は死だけ」となった。死に行く自らを知覚する方法としては「切腹」しかあるまいと思い至る。「切腹」の研究から「二・二六事件」と出会う。三島は事件との関わりを通じて、日本の文化の根底に天皇の概念があり、それは大戦以前のこの事件を境に失われてしまった。続く2014/11/27