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内容説明
戦後初の女性刑死第一号の犯罪と生きざまを描く、迫真の実録読物。貧困と頽廃に倦む行商の女、小林カウ。“温泉旅館の女将”への野望を実現すべく連続殺人に手を染めた―。
目次
第1章 三十三年目の犯行現場に冷たい風が吹く
第2章 宝くじ当選賞金で建てた呪われた温泉旅館
第3章 人生の分水嶺を越えた男と女
第4章 若い巡査の愛人、夫の不審な死
第5章 殺人の暗号は「ようかん一本売れた」
第6章 警察が動き始め死体が埋め替えられた
第7章 別件逮捕
第8章 二人ともあの世に送っちゃったよ
第9章 死刑はかんにんしてね
第10章 発覚した夫殺し、不可思議な逆転有罪
エピローグ 男の責任
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gtn
5
日本閣事件の全容が分かる好著。絶版のため、長らく読む機会がなかったが、市外の図書館で見つけた。本能のままに蠢く小林カウと、それを取り巻く生き物。人間ではない。2019/02/13
amatsukaze
2
昭和30年代に温泉旅館の経営者夫婦を殺害し、戦後初の女性死刑囚となった小林カウの半生を描いたノンフィクション。著者独特の湿り気を帯びた文体が、鄙びた温泉郷と多情であった犯人の闇の深さを描いていく。この本が出版された頃でも事件を知る人は少なくなっており、今後これをテーマとする作品はもう出ないであろう。戦後日本が復興する中で観光がs産業となり、そこで一攫千金をつかもうとした人物の群れは忘れるべきではない。2012/11/25