内容説明
わたしたちの最も身近な野生動物ノラネコ。その社会はまだナゾにつつまれています。福岡県新宮町相島。玄界灘にうかぶ小さな島での7年間にわたる、200匹ものノラネコの調査・研究を、写真と図版でいきいきと再現したドキュメント。だれにでもできる観察、調査の方法もわかりやすく紹介。ノラネコが見えると動物たちが見えてくる。
目次
第1章 なぜノラネコ研究(ノラネコって何?;わたしがノラネコの研究を始めたきっかけ;ノラネコの研究の意味;世界のノラネコ研究者たち)
第2章 だれにでもできるノラネコ研究ことはじめ(ノラネコの個体識別と名前つけ;調査七つ道具と観察のコツ;行動圏(ホームレンジ)からわかるノラネコの社会)
第3章 わたしのノラネコ研究(わたしの研究テーマ;わたしのノラネコ研究)
著者等紹介
山根明弘[ヤマネアキヒロ]
1966年、兵庫県西宮市生まれ。九州大学理学部卒業。理学博士。国立環境研究所、京都大学霊長類研究所を経て、現在、北九州市立自然史・歴史博物館(いのちのたび博物館)学芸員。専門は、動物の生態学と集団遺伝学。最近はサウジアラビアのマントヒヒの生態も研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
27
研究する楽しさがたくさん詰まった一冊です。娘さん、個体識別カードを大活用中。2019/08/12
Kouro-hou
21
動物の生態と遺伝を研究している著者が、福岡県相島でノラネコ200匹を約7年調査研究した話を中心に、誰でもできるノラネコ観察を紹介している本。児童書なので夏休みの自由研究にも使える? ノラネコは識別札を付けなくとも模様や尻尾で個体識別できるのが良いそうな。「猫の観察をしています。怪しい者ではありません」チラシの雛形も付いてます。発情期のメスが取り巻くオス達を狸寝入りで出し抜き、隣グループの若い雄とこっそり会っていたり、子猫の遺伝子を調べたら驚愕!パパはうちのボス猫ではなかった!等の研究結果も面白い。2015/12/30
棕櫚木庵
19
著者のノラネコ研究の回想とその成果の紹介という形で,野良猫の生態を紹介し,併せて,読者をノラネコ研究に誘う・・・というと小難しげだけども,親しみやすく書かれていて楽しく読めた.主な舞台は福岡県相島(あいのしま).ここの猫,TVで見たことあるような? ▼「調査七つ道具」の写真付き紹介(pp.38--41)や識別カードの雛型と記入例(p.28以下),不審者と思われないように地域に配布回覧するビラの文例まであって調査の苦労が偲ばれる.→2022/01/02
たまきら
16
「ねこはすごい」の著者によるサイコーに楽しい「猫自由研究のすすめ」本です。一時この人の観察メモ、コピーしてどこにでも持ち歩いていました!2016/02/17
キキ@新潮部
10
2023年3月読了。「人間にとって最も身近な野生動物の一つ。それがノラネコです」という著者は1966年生まれ。九州大学野学部卒業。ノラネコという言葉も最近では聞かなくなってきた。そんな猫たちの行動範囲や人間関係(というのか)を調べる方法など、興味深く読んだ著者が使っている個体識別カードをお言葉に甘えてコピーさせてもらったので、うちに来るさくら猫や、公園の地域猫、通りすがりの外猫たちに役立てたい。2023/03/25