内容説明
中央アメリカの熱帯林にすむホエザルがときどき木から落ちるのはどうしてだろう?同じトケイソウなのに生えている場所のちがいで葉の形がちがうのはなぜか?アリアカシアのトゲの中にすむアリとアカシアの関係は?熱帯林に暮らす生きものたちのさまざまな謎を解いていくうちに、彼らの生きたつながりが見えてくる…十二の物語。
目次
動物たちはどこにいるのだろう?
種の数は?
「サルが木から落ちる」事件
アリ植物の軍隊のなぞ
チョウをだますトケイソウ
カエルの猛毒をさぐる
寄生、それとも助け合い?
チョウの奇妙な追跡
翼のある果物どろぼう
サルの糞にひそむなぞ
姿なき花粉運び屋
森の大きさはどのくらい必要か?
熱帯のシンフォニー
著者等紹介
クインラン,スーザン・E.[クインラン,スーザンE.][Quinlan,Susan E.]
野生動物学者。長年、野外生物を研究し、野外教育にも携わってきた。ガイドとして中央アメリカ、南アメリカの熱帯林の多くの探検に加わった。その仕事のあいだに、動植物のイラストを描くようになり、現在では彼女の作品はカードやポスターなどになり、教育に使われている。著書はいくつかの賞をうけている。アラスカのフェアバンクスに、夫と二人の娘と共に暮らしている
藤田千枝[フジタチエ]
東京生まれ。お茶の水女子大学理学部卒。科学読物研究会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
じゃすみん
1
短い章立てで読みやすい本です。 ぼたっと木から落ちる猿。何か毒を食べたのか……と、遥か樹上を移動する猿を、ずーっと観察し食べ物を記録し場所や成分を徹底分析! その他熱帯林で起きる様々な小さなこと…アリの行列に蝶が群れるとか、果実の種はどこへ行くとか…を、とにかく追跡とにかく調査。熱意に頭が下がります。 そして最後、開発で細切れになった森で何が起きているか。 失ったら取り戻せないものがある、と胸が痛くなりました。 2014/07/02
潮
0
何年か前に読みました。小学校の図書室に置いてあったものです。記憶がおぼろげですが、生態系の緻密について考えるきっかけになった本でした。好きだったので、小学校卒業まで何回も借りて読み直したような気がします。名残惜しかったですが、中学校の図書室にもあり、嬉しかったです。高校生になった今、もう一度読み直したいなあ。
Mihoko Inoue
0
熱帯林の生態学。 12に分けられた章ごとに熱帯林の謎が描かれる。 一つの種は、決して単独で生きているわけではない。複雑に絡み合い、相互に依存しあい、あるいは協力することで初めて生きながらえる事ができる。 「一つの種がいなくなると、その結果が生態系全体にさざ波のように広がっていき、次々に変化が起こって種が失われていく」 人は唯一、地球の環境を変化させることができる種であることを改めて教えられた。2014/10/24
taverna77
0
ふとしたことが気になって調べていくと貴重な発見につながっている研究事例集。どれも目から鱗でとても楽しく読みました。熱帯林にしかないもの、熱帯林のイメージ上にしか想像できないものがこの世にはたくさんあります。一度破壊すると取り返しのつかないことをもう少し深刻に考え、みんなで行動していけたらよいと思います。日本だけでなく、発展途上国も含めたみんなで。2019/08/12
かしこ
0
熱帯雨林には様々な生物が住んでいて複雑にからまりあっている2018/06/30