泥かべの町

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  • サイズ A5判/ページ数 173p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784378007885
  • NDC分類 K933
  • Cコード C8397

内容説明

タリバン政権下のカブールで髪を切り少年となって働いていたショーツィアは、アフガニスタンを脱出し、パキスタンの難民キャンプにたどりつく。だが、泥かべに閉じこめられた生活には何の希望もない。フランスへ行く夢を実現させるため、ついには愛犬とともにペシャワールで路上生活をはじめる少女に、さらに苛酷な現実が待っていた。難民となった少女は、キャンプ内で死んだような一生を送るしかないのか。運命を切りひらこうと懸命に闘うショーツィアが、最後にえらんだ道とは…。戦乱のアフガンを生きぬく少女を描いた連作の最新作。

著者等紹介

エリス,デボラ[エリス,デボラ][Ellis,Deborah]
カナダ・オンタリオ州で育ち、17歳のころより、非暴力、平和運動、女性解放、反戦等の政治活動に参加。現在は、トロントの精神障害者の施設でカウンセラーとして働く。カウンセラーとしての仕事のほか、作家活動、アフガン難民を支援するNGOの中心人物として活躍中。『Xをさがして』(さ・え・ら書房)で、2000年度カナダ総督文学賞(児童書部門)を受賞。『さすらいの旅―続・生きのびるために―』で、2002年度同賞最終候補

もりうちすみこ[モリウチスミコ]
1955年、福岡県生まれ。九州大学教育学部卒業。訳書『真実の裏側』(めるくまーる)は、第50回産経児童出版文化賞・推薦図書に選ばれる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

扉のこちら側

77
2018年502冊め。デボラ・エリス7冊め。「生きのびるために」でパヴァーナの親友として描かれたショーツィアの物語。アフガニスタンを脱出してパキスタンの難民キャンプにたどり着くも、泥かべに閉じ込められた生活から脱しフランスにたどり着く夢のために路上生活を送ることになる。難民キャンプにさえたどり着けば水と食料と寝床がもらえると思いがちだが、そうはいかない辛い現実だった。シリーズを通して暗躍する活動家のウィーラ夫人視点の物語を読んでみたい。2018/08/15

アイアイ

20
少年に扮してパリに行くことを夢見て働く14歳の少女ショーツィアの物語。老人と結婚させられそうになり家を出て、アフガニスタン難民キャンプで貧困にあえいだ彼女は、そこを飛び出しホームレスになりながら仕事を探すが、厳しい現実が待っていた。浮浪児の金を取り上げる警官、臓器売買、家畜以下に扱われる子供たちの日常と崩壊した世界に震える。▷図書館2015/11/27

ジュースの素

12
アフガニスタンのたび重なる内乱で難民となった人々がパキスタンに逃れ、水も住まいも貧しいキャンプでの暮らしを余儀なくされた。その中のショーツィアは髪を切って少年に化けて泥の壁の中で過ごす。タリバンを恐れ、未亡人収容所には多くの女性や子供がいた。配給の食料を巡る暴動や喧嘩は多く、けが人や死傷者も常に出る。今でもこれらの地域は紛争が多い。一生を混乱の中で終える人もいて全くやりきれない。2016/07/30

多津子

10
パヴァーナと同じように男装して市場で働いていたショーツィア。彼女は家族を捨てて、憧れのパリへ行くことを夢見て旅立つ。自分の人生を取り戻すために。しかしたどり着いたのは隣のパキスタンの難民キャンプ。泥壁の家に押し込められた閉塞感に耐えられず、犬と共に街に出て少年として仕事を探しながら暮らす。過酷な生活と裕福なアメリカ人家族との落差。失意の中彼女が再び未来への希望を持つ選択はあるのか。力強い少女の物語。2021/12/12

シロツメクサ

3
アフガニスタンの少女たちの希望を持ちにくい状況がわかり、その苦難の中で諦めない少女たちに、励まされる思いが逆にします。2013/08/02

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