内容説明
まぶたにうかぶママの顔は、いつも笑っています。笑うことしか知らないみたいに。もう一度、生きているママにあえたら!でも、ママも、ママの笑顔も、この世にはもどってきません。彫刻家のパパは、ママのほほえみを聖母マリアの像にきざみつけたというけれど、石の顔がほんとに笑っているのかどうか、ウラにはよくわかりません。それは、ウラがまだ子どもだからでしょうか。おとなになればわかることなのでしょうか。
著者等紹介
ハイン,クリストフ[ハイン,クリストフ][Hein,Christoph]
1944年シレジア(現在ポーランド領)生まれ。ベルリンのフンボルト大学で哲学、論理学を修める。翻訳、ラジオ・演劇の脚本を手がけながら小説を発表。1982年の『行きずりの恋人/龍の血』(邦題『龍の血を浴びて』:同学社刊)で作家としての名を確立。旧東ドイツ時代から現在まで数々の文学賞を得ている。1998年ドイツ・ペンクラブ会長就任
松沢あさか[マツザワアサカ]
1932年、愛知県生まれ。名古屋大学文学部卒業
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