内容説明
海辺の小さな町、ストラウドウオーターに住むジャスミンの夢は、大好きなバスケットボールで奨学金をもらって、大学に進学すること。でも、職業軍人である母さんが戦地へおもむくことになって…。一九九〇年八月、イラクがクウェートに侵攻し、湾岸戦争に発展したとき、アメリカは約三万七千人の女性兵士を戦場におくりました。これは、突然の招集で母親を奪われ、一歳の弟とともに母親のボーイフレンドと暮らすことになった少女ジャスミンの成長と「新しい家族のありかた」を考える物語です。
著者等紹介
ミード,アリス[ミード,アリス][Mead,Alice]
1952年生まれ。メイン州在住。教育学の修士号を取得したのち、教職生活にはいる。「障害」を持つ園児のいる幼稚園や、中学校でも教えた。7、8歳のころ、イギリスで暮らしたことがあり、そのとき目にした第二次世界大戦とナチスの爆撃のつめあとに、強い印象をうけたという
若林千鶴[ワカバヤシチズル]
1954年、大阪市生まれ。大阪教育大学大学院修了後、中学校教員。国語と図書館担当。楽しむだけでなく、考えさせる読書指導にも力を注ぐ
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Nobuko Hashimoto
20
「女性兵士」で検索して見つけた児童書。1990年イラクによるクウェート侵攻を受けて召集された米軍予備役だったシングルマザーの一家の話。11歳の少女が、ある日突然、母の恋人とその子(弟)とで残され、戸惑い、不安、寂しさを乗り越えていく話になっている。作者まえがきや訳者あとがきには、イラクへの軍事行動には3万7千人の女性兵士が召集され、その半分近くが母子家庭であったことや、攻撃に使われた劣化ウラン弾の甚大な被害に関して触れられている。2023/07/19
マツユキ
9
1991年に起きた湾岸戦争の前年、多くの軍隊予備軍登録者に召集命令が出て、女性兵士も家族を置き、戦争を行くことになりました。十一才の主人公ジャスミンの母も、その一人。ジャスミンは、まだ赤ん坊の弟と、弟の父親である母のボーイフレンド、ジェイクの三人で暮らすことに…。 母親本人だって、知らされる事はわずかで、残された家族は不安で仕方ない。それに、それぞれの生活もある。自分の事ばかりで、うまくいきませんが…。家族、それ以外の人間関係のやりとりに、はらはらして、面白かったです 2021/01/06
ぴょん浜
2
イラクのクウェート侵攻で補給部隊として戦地に赴くことになった母。12歳になろうとするジャスミンは、バスケットボールチームのキャプテンになれたのに、まだ乳児のアンドリューの世話をしなきゃならない。母のボーイフレンドで弟の父親のジェイクが同居することになるが、家事も子育ても経験がなく、どうしていいかわからない。アメリカの子どもたちにとって戦争とは?家族とは?2018/04/09
遠い日
0
040529【読書ノート】評価♥♥♥♥♥2004/05/29
つきと
0
テーマは非常に興味深い。もう少し丁寧に書いて欲しかった。ヒロインの心情の変化も唐突過ぎてあまり掘り下げられていないのが残念。戦争の被害者は至るところにいる。女性軍人、特に予備軍登録者などあまり内情を知らないのでその説明がもっと欲しかった。2009/12/09