六号病室のなかまたち

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  • サイズ A5判/ページ数 159p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784378007649
  • NDC分類 K929
  • Cコード C8397

内容説明

弟をイスラエル兵に殺された少年サミールは、パレスチナ・アラブ人のひとりとして、生まれたときから、イスラエルへの憎悪と敵対心の中で育てられてきた。ひざの手術をうけるため、イスラエルの病院にいる今も、それは変わらない。不安と孤独で、おしつぶされそうになる病院での日々。だが、おなじ病室のイスラエルの子どもたちと、少しずつ、ことばをかわし、かれらのいたみも知った少年は…。六カ国語に翻訳され、1997年ユネスコ・児童文学トーレランス賞佳作。2000年全米図書館協会ミルドレッド・L・バチェルダー賞受賞。

著者等紹介

カルミ,ダニエラ[カルミ,ダニエラ][Carmi,Daniella]
イスラエルに生まれ、エルサレム近郊に住む。三人の母。児童、おとな向けの小説およびテレビ、演劇脚本を書く。『六号病室のなかまたち』で1997年ユネスコ・児童文学トーレランス賞佳作。2000年、全米図書館協会ミルドレッド・L・バチェルダー賞受賞

樋口範子[ヒグチノリコ]
1949年生まれ。立教女学院高校卒業と同時にイスラエルに渡り、二年間キブツ・カブリ・アボカド園で働く。帰国後、山中湖畔児童養護施設保母、パン屋を経て、現在は同地で喫茶店を営む

橋本礼奈[ハシモトレイナ]
北海道生まれ。東京在住。武蔵野美術大学大学院修了。個展、公募展などでおもに油絵の作品を発表しながら、壁画、挿絵、テレビドラマの美術協力などの仕事をする。主体美術協会会員
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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ベーグルグル (感想、本登録のみ)

53
弟をイスラエル兵に殺されたパレスチナ人の少年サミールが膝の手術のためにイスラエルの病院に入院する。戒厳令で面会に来れない両親。パレスチナ人への増悪や恐怖を感じながらも必死に耐えるサミールであったが、民族間の諍いを超え、病を持ち同じ時間を共有する仲間たちと過ごすことで、少しずつ心に変化が生まれ、徐々に心が通い合っていく姿に感動。あとがきもとても心に響きました。1997年ユネスコ・児童文学トーレランス賞佳作。2000年全米図書館協会ミルドレッド・L・バチェルダー賞受賞。2020/01/01

とよぽん

37
パレスチナ問題に苦しめられる人々(子どもたちも含めて)。ため息が出る現実ではあるが、子どもは純粋で傷つきやすくも希望の光を求める存在だと、改めて思った。中でも、ヨナタンが語る生命観・・・人間の体がどんな物質でできているか、地球上の生きものはみな同じ物質でできていて組み合わせが違うだけだ、だから「ぼくたちみんな、インディアン、フランス人、アフリカ人、ロシア人、ユダヤ人、アラブ人、エスキモー、日本人、だれでも同じさ」という生命観が、この物語の根本なのだ。この素晴らしい本は書庫にあった。もっと読んでほしい。2020/01/09

アイアイ

16
敵国のイスラエル病院でヒザの手術を受ける為に、望まない入院をするパレスチナ人の少年サミール。弟をイスラエル兵に殺された為に憎悪と恐怖を持っていたが、天文学を愛すヨナタンを始め、心身に傷を負った六号室の子供たちに出会い子供らしい時間を取り戻す。戦火の中で育ったサミールは戒厳令で両親が面会に来れない中、孤独に治療に耐え他の大人に甘える発想がない。ヘブライ語では家に帰ることを、バスや車を使っても「歩いて帰る」というそうだ。▽図書館2017/01/19

akinbo511

7
入院先の病院内でのイスラエル人とアラブ人の子供の交流を描く。アラブ人の少年の弟はイスラエル人に殺されたので、イスラエル人が怖くてしょうがない。けれど、病室で出会ったイスラエル人とは心を通わせて行く。2013/08/26

kumako

6
児童書で文量が少ないながらも、ラストのアラブ人・サミールとイスラエル人・ヨナタンの空想宇宙旅行のシーンでは特にヨナタンの言葉にいちいち納得させられ、イスラエル人・ツアヒが最後にとった行動といい、子供の拘りのなさというか柔軟さを持っていたら平和も訪れるのかも知れない、と感じました。2019/04/29

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