感想・レビュー
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印度 洋一郎
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著者はチェチェン人の元共産党幹部で、戦時中に亡命している。60年代から70年代までソ連を統治した指導者ブレジネフに関する分析している。冷戦期の亡命者の常として、ソ連を延々と批判しているのが、今となっては少々盛り過ぎの感もある。著者によると、ブレジネフはスターリンやフルシチョフとは異なり、党や軍といったソ連内の諸勢力の均衡の上にバランスを取っている支配者だという。特に複数の著作を分析して、「経歴を盛っている」「自分を取り立てたフルシチョフを酷評」などその偏向ぶりを糾弾。いかにも冷戦時代の本である。2023/11/17