内容説明
明治6年、西郷隆盛ら五参議が政府を去った。世にいう「征韓論政変」である。この政変は、果して西郷遣韓使をめぐる「征韓派」と「内治派」の対立だったのか。知られざる韓国側資料を含む一次資料を駆使して、この政変が、「征韓論」を口実に、立憲君主政体の樹立を意図した壮絶な権力奪還闘争であったことを立証した野心的労作である。
目次
征韓論的発想の転換
1章 明治6年の朝鮮議案―征韓論を点火したもの
2章 政規ハ一国ノ是―明治6年の政治的状況
3章 死を視ることは帰するが如し―明治6年夏の西郷書簡
4章 新薩長体制へ―両公と両氏
5章 大久保利通の陰謀―只一ノ秘策アリ
6章 征韓論資料検証―征韓論政変か
終章 憲法ハ邦家ノ基礎―明治6年と14年の政変