内容説明
私の裸をあなたは見てないのに、よくこれだけそっくりに描けるわね。どこに秘訣があるの?絵を描く青年が主人公の八編のストーリー(書き下ろし三編)。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
myunclek
21
美男美女しか出てこない片岡義男のいつもながらのスマートな都会小説。70年代の日本では、アメリカナイズされたお話しは、きっとおしゃれで持て囃されたんだろな。何故読んでしまうんだろ、俺。きっと片岡義男が生きて来た空間が好きなんだろうって思うだけ。彼の文章には面白み感じなくなって来た。2014/08/14
ほほほ
19
短編集。1960年代〜70年代の東京。イラストレーターの青年が、絵を描くことによって自らの物語を作っていくほんの1コマ、というのが共通したテーマ。ロマンポルノっぽい話もあって苦笑したけど、東京オリンピックや都電が出てくる高度成長期の東京の風情を存分に楽しめました。読んでるだけで昭和の東京を散歩してるって感じ。小津安二郎の映画に出てきそうな昔のOLやバーのママも良い。そしていつも通り片岡さんの小説に出てくる人たちは自分をまっすぐ見つめて前へ進むので、読んだ後は迷いなく大股でどこまでも歩けるような気分になる。2014/10/29
ガミ
13
1960年代を生きる若い男性画家たちのそれぞれの人生を描いた短編集です。絵を描くことに長けた青年たちが自分たちの絵を通じてどのように人生が進んでいくか…。物語はその序章で終わる形が多いので、そのあとの彼らがどう動いていくかを想像すると面白いです。全体としては、穏やかな時の流れを感じる中、「後悔を同封します」のような哀愁を感じることもありました。別れた妻が再婚し、彼らの新築の壁に掛ける絵を描く青年はとても切ないですね。2015/11/12
KAZE2013
1
片岡義男の著作。2003年から2005年にかけて発表された短編小説5篇に書き下ろしの3篇を加えて、2005年5月に刊行された。絵やイラストを上手に印象深く描く青年が主人公。時代は都電も走っている1960年代。(1980年代からの回想もある)。 家柄も良い、若く健康で才能のある気持ちの良い青年、そして健康で美しい女たち。懐かしい風景ではあるのだが・・・2013/01/28
ソーダサイホン
1
相変わらずの片岡節。2009/10/22