内容説明
フィンランドは、国連による世界幸福度ランキングで5年連続第1位!教育・医療・デジタル、多くの分野で最先端をいく。大学まで学費無償で、持ち家購入には補助があり、生命保険は必要ない。第二次大戦に敗北し、資源もなかった貧しい小国が、なぜ世界中が羨む国になれたのか。仕事もプライベートも充実し、税の「高負担」が負担にならない生活はなぜ実現したのか。現地に30年以上住み、大学で教え子育てもしてきた著者だからこそ知る秘密をすべて解説する。フィンランド流の新しい生き方がわかる一冊。
目次
第1章 自己責任ではない「働き方」
第2章 デジタル化で効率を上げる
第3章 教育は貧富に関係なく受けられる
第4章 フィンランドでの出産
第5章 男性にも女性にもやさしい子育て
第6章 安心できる医療・介護システム
著者等紹介
岩竹美加子[イワタケミカコ]
1955年東京都生まれ。1991年より三十年以上にわたりフィンランドで暮らしている。ペンシルヴァニア大学大学院民俗学部博士課程修了(Ph.D.)。早稲田大学客員准教授、ヘルシンキ大学教授等を経て、同大学非常勤教授(Dosentti)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
115
以前、著者の「フィンランドの教育はなぜ世界一なのか」を読んだ。実態を知り、著者の知的な論考に感心しながらも、「なぜ」に踏み込めないもどかしさを覚えたものだが、それはこの本でも同じ。現代の日本が課題とする労働時間、社会福祉、デジタル化、教育の平等、出産・育児支援、夫婦別姓、男女平等など、フィンランドは、この数十年の間に次々と社会制度に組み込んでいる。国のアイデンティティを「女性に優しい福祉国家」と定めた見事な国家運営だが、今、「新自由主義」の流れに揺さぶられていると言う。良貨が悪貨に駆逐されないことを祈る。2022/07/03
くものすけ
11
以前ブータンが世界幸せな国に選ばれていた様な気がします。最近はフィンランドが5年連続幸福度No.1と聞き、ちょっと意外な気がしました。税金が高いという先入観念がありますが、実はその見返りが非常に大きく国民はそれ程負担に感じていないのではと思います。是非本書を読まれ、日本でも実現させる手本になればいいと思いました。2023/03/27
つかず8
9
サウナに嵌り、本場のフィンランドを知りたくなり読了。内容としては、著者の経験をメインにフィンランドの良いところ、日本の悪いところをケーススタディー的に書かれているが、あくまで個人的な経験や主観で記載されており、統計等の科学的な裏付けに乏しい印象。フィンランドはウェルビーイングを特に重視した政策をして、日本とはここが違うと主張されているが、本質的に異なっているところは、デジタルの浸透度、民族多様性、個人ナンバー等の超管理社会というのが個人的な印象。ともあれ、サウナ大国のこの国には一度でいいから旅行したい。2024/08/27
ほんメモ(S.U.)
8
著者がフィンランド大好きで、日本はあまり好きじゃないのだな…ということは伝わってきましたが、表題の問いに答えた内容になっていないように思いました。同じ内容でフィンランドという国名を例えばアメリカに置き換えた場合、それ知りたいかな?と思う内容の事が多かったです。私自身、フィンランドの国語教育を参考にしていた時期があり、教育については参考になる記載もありましたが、それぐらいでしょうか。実際の生活から生まれたエピソードが紹介されているともっと良かったと思います。日本にもコンセプチュアルな政治を求めたいですね。2022/11/30
翠
7
大学レポートで使用