内容説明
二〇二〇年、世界は新型コロナウィルスの感染爆発に直面した。人類の歴史は感染症との闘いの記録でもある。十四世紀ヨーロッパでのペスト流行時には、デマによりユダヤ人大虐殺が起こった。幕末日本では黒船来航後にコレラが流行、国民の心情は攘夷に傾いた。一方で一八〇三年、スペイン国王は世界中の人に種痘を無償で施し、日清戦争直前には日本人医師が自らも感染して死線をさまよいつつペスト菌発見に尽力した。医学的・歴史的資料をもとに、人類がウィルスといかに闘い、打ち勝ったかを明らかにする。
目次
第1部 世界史を変えたパンデミック(都市封鎖の起源となった病―黒死病;永遠の都を守った「ローマの友だち」―マラリア;ナポレオンの大陸軍が味わった地獄―チフス;黒船伝来の虎狐痢―コレラ;西部戦線異状あり―インフルエンザ;チャウシェスクの子どもたち―エイズ)
第2部 流行病に立ち向かった偉大な人々(天然痘を武器にした者、制圧した者;壊血病に挑んだキャプテン・クックのレシピ;日清日露戦争の脚気惨害;ペスト制圧と香港の「青山公路」;フェイクニュースが生んだ碧素)
著者等紹介
小長谷正明[コナガヤマサアキ]
1949年千葉県生まれ。79年名古屋大学大学院医学研究科博士課程修了。専攻は神経内科学。現在、国立病院機構鈴鹿病院名誉院長。パーキンソン病やALS、筋ジストロフィーなどの神経難病を診断・治療する。医学博士、脳神経内科専門医、日本認知症学会専門医、日本内科学会認定医(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。